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銀河鉄道 研修センター

【第5教室】

Nゲージ999号初心者講座

マイクロエース製Nゲージ999号について、講師を招いてのNゲージ初心者講座です。



講師控え室にて・・・
ミツセ: 「原田先生いらっしゃいますか?」
原田: 「はい、なんでしょう?」
ミツセ: 「Nゲージ初心者講座を楽しみにしています。」
原田: 「これはこれは、有り難う御座います m(_ _)m←最敬礼 励みになりますです!」
ミツセ: 「形式表記はとても良く分かりました。車の型式なんかより、ずっと分かりやすいものだったんですネ。」
原田: 「一見、取っ付きにくそうなのですが、一旦解るとそうでもない・・・」
  「特に車輛種別表記のカナなどは、覚えておくと形式を見ただけで『何に使う車輛なのか』が解りますので、結構面白いと思います。」
  「あと、模型車輛の単品(一両ごと)販売時も、商品名として実車の“形式”が書かれていますので、模型の編成を組む場合でも大いに役立ちます。」
車掌: 「乗務員試験にも出題されそうですしネ」
原田: 「だから、出ないってば!」
  「今回はミツセさんの質問にお答えします!」
車掌: 「えっ?前回の続きの初心者講座は・・・」
原田: 「いま原稿を書いているところです。申し訳ない(^^ゞ」
  編集部 注)↑あくまでフィクションです(^^;

客車の設定
ミツセ: マイクロエースから発売になる999の客車は「スハニ35」「スハ 44」「マイテ58」になってますけど、向かい合わせタイプは「スハ43」であることが分かりました。これでは999は再現できないのでは? (^-^;)
向かい合わせで座る車両  
特急車に用いられる座席は、大抵の場合、列車の進行方向を向いた「ロマンス・シート」と呼ばれる座席配置となっています。
座席が進行方向を向いていることで心理的に「落ち着く」という効果が有るそうでして、その辺りを特急車の居住環境に反映させた結果だと思われます。

スハ44系では、三等座席車(スハニ・スハ)の側面窓が、他の客車の窓と比べて“小さい”ですが、これはその1シート1シート毎に窓が一つずつ割り振られていることによるものです。(つまり窓一枚貸し切りです)
 
一方、ミツセさんの云っておられる“向かい合わせタイプ”のシート配置は「クロス・シート」と呼ばれ、こちらは急行用、普通用の車輛に用いられる配置です。

ところが、ここで矛盾が生じます・・・
TV版/劇場版 ともに室内の描写では“クロスシート”なのですが、TV版の場合、客車の外観は小窓のスハ44なのに室内はクロスシート・・・ということは、向かい合った座席のちょうど中央に窓と窓との切れ目(窓枠)が来ますので、どう頑張っても、おなじみのあの場面にはなりません。かといって、シート配置の正確な43系客車を用いたとすれば、座席は文句なしの「クロスシート」ですが、客車の窓割り(窓の配置間隔)がスハ44よりも広くなるため、外観的にTV版と異なってくる・・・(劇場版の場合はスハ43で大正解)
う゛〜ん こうなると、もう後の判断は各々の趣味で決めて頂くしかないかと(要は好みの問題です)
「マイテ58」と「マイテ49」の違い  
ミツセ: あ、「マイテ58」と「マイテ49」ってどこが違うんでしょう?私が買ったの「マイテ49」なんですよ。
細かいことを言い出せばキリが無いのですが、外観的特徴は「マイテ49」よりも「マイテ58」の方が“窓”が大きいという点です。また、室内的には、マイテ49では展望室とロビースペースだけだったものが、マイテ58では客車前側寄りに2室の“個室”が設けられた点が挙げられます。その分、ロビー室洗面・車掌室が若干マイテ49よりも狭くなっています。

また、マイテ49よりもマイテ58の方が製造年式は若干新しく、なおかつ窓が広いため、マイテ49と違って“開放感”のあるスッキリした感じを受けます。

残念ながら、メーカー完成品として出ている“展望車”といえば、KATOのマイテ49だけなのでして・・・・
ですから今回のマイクロのマイテ58は、Nゲージャー(Nゲージしてる人)的に見ても、大いに価値のあるものだと思います。

元々TV版には展望車は要りませんので、車体を「焦げ茶」に塗り直し、白の階級帯(一等)を締めて、純正塗色のマイテ58にしてみては如何でしょう?
KATOの「つばめ・はとセット」のマイテ49ととっ替えて、特急「かもめ」を再現してみても良いかも知れません。
(マイテ58は特急かもめ専用の展望車でした)
ところで999の正式編成って何両でしょう?  
ミツセ: ところで999の正式編成って何両でしょう?
「LD ギャラクシーボックス」の箱絵を数えると11両に見えますけど。
できるだけ長い方が良いと思いますよ。(ハッタリ効かす意味でも)
でも、模型的まとまりを持たせるとすれば、12〜13両ぐらいが良いんじゃないでしょうか。新幹線フル編成(16両)よりちょっと少ないかな程度ですね。勿論パワフルな牽引力を誇るKATOのC62なら、楽々と引っ張ってくれます。(但し“坂道”は苦しいかも・・・)
客車の屋根の外し方  
ミツセ: 実はお願いがあります。
「Nゲージ初心者講座」で座席の塗り方とかやってもらえませんか?
塗り方って言うよりも屋根の外し方ですね。
むう・・・難しい
外すのは私にも出来るのですが、それを初心者の方にも分かるように説明するのが一苦労でして・・・

まして、無理に分解しようとすれば「破損」の恐れもありますし・・・

しかし、熱心に「椅子を塗りたい」と思っておられるミツセさんの情熱に答えないわけにも参りません・・・
裏技をお教えしましょう(^^)

いきなり改造講座 KATOスハ44系の屋根の外し方
客車両端の“幌(黒い枠)”の上側を爪で引っかける  
ちゃんちゃかちゃかちゃか ちゃんちゃんちゃ〜〜〜ん
車掌: 「その曲はN○Kの“今日の料理”じゃないですかッ」
原田: 「えー まずは熱したフライパンに油を・・・」
車掌: 「ちゃ〜うって(^^; ハイ」
でまず、客車両端の“幌(黒い枠)”の上側を爪で引っかけ、ボディより浮かし、斜めにします。
幌の上側の引っかかりの部分がボディより完全に離れたら、もう一方の幌も同じようにして浮かします(幌の下部分はボディに食い込ませたまま、この時決して幌に力を加え過ぎないで下さい)
幌の上側のベロ(差込部)が屋根の固定ピン的な役割をしていますので、このロックを解いてから次のステップへ進みます。
前後の幌の上側を浮かせたら、両手で車体の両端を持つ   
前後の幌の上側を浮かせたら、両手で車体の両端を持ち、(少々乱暴ですが)何回か車体を捩ります。言葉での説明が難しいのですが、左右の手で車体をねじっては戻し、今度は逆方向にねじっては戻し・・・を繰り返します。
この際の注意点は
 ○ 決して「屋根」を持たないこと。
 ○ ねじりすぎないこと(でも力はある程度込めて下さい)

何度かねじっていると、勝手に屋根がボディーから離れてくれます。(時には“すっ飛び”ます)

あとは、窓ガラス部品をそっと外せば椅子が取れますので、塗装等をして下さい。ガラス外しがうまく行かない場合は、無理に外さず、窓の内側からマスキングテープ等をはって椅子を塗装して下さい。

屋根をはめるときは、車体に重ね、上から押すとパチン!とはまります。後は幌を元通り設置して完成です。

尚、くれぐれも、改造・分解の際は個人の責任に於いて行って下さい。健闘を祈ります。
マイクロエースの999号の座席の色は、ちゃんと緑色です。   
ミツセ: 白だとどうも雰囲気が出ません。鉄郎とメーテル、座らせたいし。
車掌: 「マイクロエースの999号の客車は、ちゃんと座席が緑色に塗装してありますよね。ちょっと、雑ですが・・・」
「細かいところまで演出しております。」

999号を自分で作っていたんです。
今までの苦労は何だったんでしょう。  
ミツセ: それにしても少しずつ買い揃えてる内に2年も月日が経って、マイクロエースから999が出ちゃうんだもんなぁ。今までの苦労は何だったんでしょう。はぁ...
しかし、単品車輛をコツコツ買い揃えて編成を「組み立てていく」面白さってのもまた良いもんですよ。
セット買いだと一気に編成が揃ってしまうので・・・・・
模型屋でウインドーを眺めながら「客車は今度これを買って繋いでやろうかな?」なんて考えてるときが一番楽しいですし・・・
また、一両一両増やしていく事で、その車輛に愛着の一つも湧いてくると思います。トイレの窓に白色を塗ってやったり、行き先サボ*1のシールを貼ったり・・・などのディテールアップ作業も、セット物を買えば、一気に6〜7両分しなければならないので大変ですし・・・

「今までの苦労がぁぁぁぁぁぁぁ」なんて思わずに、その辺りも“また愉し”と思えてくれば、立派に「趣味人」してると云えます(^^)気長に楽しみましょう。

*1 サボ
  サインボードの略/行き先を明記した掛け看板で、青地に白文字のものが客車にはよく似合う
リレーラー    
ミツセ: 今日は直線レールとリレーラー買ってきました。まだまだ先は長そうです。
原田: 「その調子 その調子(^^) マイペースで行きましょう。」
車掌: 「で?その、リレラーとかなんとかいうのは?・・・・」
原田: 「Nゲージ“お助けグッズ”みたいな物ですよ」
●リレーラーとは?
模型車輛をレールに並べる際に使う、スロープ状の器具。
これをレールにセットし、上に線路へ乗せたい車輛を置くと、スロープ(坂)になっているため、車輛が自分の重みで坂を下り、レール上に確実に乗せる事が出来るというスグレモノ。
慣れてくると“素手”で模型車輛をレール上に乗せる事が出来るようになりますが、慣れないうちは、この器具を用いてレールに乗せた方が楽です。初心期間中の方なら一つは常備すべし!の便利ツール。値段は高くありませんのでご安心を・・・(200円あれば余裕で買えます)
スハ44系実車編成例[ツバメ茶編成](昭和26年頃)」    
ミツセ: 私が編成の参考にしたのは、KATOの客車(の説明書)に載っていた「スハ44系実車編成例[ツバメ茶編成](昭和26年頃)」ってやつで
[C62]-[スハニ35]-[スハ44]-[スハ44]-[スハ44]-[スロ60]-[スロ60]- [マシ35]-[スロ60]-[スロ60]-[スロ60]-[マイテ49]
です。これからすると、やっぱ11両でしょうか?
第3回で車掌さんが「鉄郎さんやメーテルさんが乗っていたのは、たしか3両目」って言ってましたので、3両目に[スハ43]を入れようかなとか思ってます。
先にも述べましたが、通常 特急用(ロマンスシート車)客車の中間にクロスシート車が混ざって特急が編成されることはありません。外観的にも小窓車と大窓車が混在していると、編成全体で見たときに、「統一感」がしない感じですので・・・・
ここは一つ、どちらかに統一すべきでしょう。(お好みでどうぞ)

スハ43なら劇場版/スハ44ならTV版の編成となります。
C62は49両が製造された  
ミツセ: ところでKATOのC62の箱には「C62は49両が製造された」って書いてありますけど、そうするとTV版の[C6250]って...?新たに造られた50両目のC62ってことなのかなぁ?
宇宙航行システムを備えた銀河鉄道仕様の機関車として新規に製造された・・・と私は思い込んでいるのですが(^^)

でも実際のところ、原作マンガでは「48号機」設定になっていますし、それをテレビアニメ化する時点で、実際のC6248が、まだ現存・現役だった事から、敢えて原作の48号機とせず、架空のC62としてラストナンバー49号機の次番で50号機としたとの事です。
 


平機関区 昭和42年(写真資料提供/フジシローさん)

 
平機関区に置かれたラスト5姉妹の中でも、最終的に平機関区に集結したC62の中でも最高調機といわれ、特急「ゆうづる」誕生後は最も専用的に「ゆうづる」に使われた。常磐のC62の中では珍しく、先輪(第2)をC59戦前型のものと交換していた。常磐線電化後はC6223,C6237,C6247と呉線へと移った。

<経歴>
・落成 昭和24年4月8日  
・使用開始 昭和24年6月7日
・移動
 昭和24年 4月25日  尾久機関区
 昭和25年 8月21日  平機関区
 昭和42年10月 1日  糸崎機関区
 昭和44年 9月24日  廃車
 
余談ですが・・・
原作・劇場版「銀河鉄道999」に登場する999号はナンバープレートが「C6248」でしたね。でも、この48号機がモデルじゃないんだな(^^ゞ
 

フジシローさんのページ「フジシローの鉄道写真館」からの資料写真提供です。他にもいろいろな蒸気機関車や列車のページがありますのでご覧下さい。

写真撮影者フジシローさんのご厚意により資料提供していただいております。無断転載は禁止します。

情報元  Steam Locomotive C62 Museum

 
TV化が決定した頃には、すでに廃車になっているのですが、何かの本か雑誌で読んだ記憶があるのですが、C6248が実際に過去現存していたと言うことで、テレビ局側が難色を示したとか・・・そこでC62が最終機49号機なので、未来のC62という設定で、TV版はC6250となったと・・・たしか、そんなことが書いてあったような・・・
劇場版でC6248に再びなるのですが、これは当時の国鉄が松本先生に「C6248」のプレートを進呈したのか貸し出ししたのかはわかりませんが、そのお礼としてナンバーがC6248に固定されたとか聞いたことがあるんですが情報元が思い出せません。これもどこかに書いてあったような記憶があります。
フル編成にしてメガロポリス・ステーションを作ろうと思った    
ミツセ: 今日買った線路、「直線248mm 4pcs.」だったんですけど、客車が6両しか乗りませんでした。
とするとフル編成にしてメガロポリス・ステーションを作ろうと思ったらかなり巨大なものに... (T_T)
ちなみに、あのステーションビルは一体「何階建て」なのか・・・・・駅構内も含めると、相当な大きさになると思います。自作する根気ありますか? 私は多分・・・・・・・・・・  ない! (苦笑)
車掌: 「自作した人いたんじゃないですか?」
原田: 「そういえば、いましたねぇ。」
と言うことで、ファウストさんの「Nゲージで遊ぼう!」をご覧下さい。

銀河鉄道999 黒騎士ファウストのページ
http://www.try-net.or.jp/~faust/999index.html


♪キーンコーンカーンコーン
原田: 「『卓上汽車軌道建設記〜一歩踏み出そう!ミニ鉄道の世界〜その2』は、また次回 今日はここまで!(で勘弁してくださいませ)」
車掌: 「今度こそは原稿を間に合わせて下さいよ。」
原田: 「ハイです(苦笑)」
 
ちゃんちゃん!
 
次回は「卓上汽車軌道建設記〜一歩踏み出そう!ミニ鉄道の世界〜質問編その2」を講義して頂きます。
 

銀河鉄道広報局「ギャラクシーれーるうぇい」第39号 2000年12月26日掲載




「卓上汽車軌道建設記〜一歩踏み出そう!ミニ鉄道の世界〜質問編その2」