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銀河鉄道 研修センター

【第5教室】

Nゲージ999号初心者講座

マイクロエース製Nゲージ999号について、講師を招いてのNゲージ初心者講座です。



車掌: 「だいぶ延滞してますから、たんまりと書いて戴きますョ」
原田: 「解りました・・・って、たんまり書いてもここの所“短縮授業”ばっかしじゃないですかぁ〜」
車掌: 「・・・・・そうでした(^^;)」
原田: 「じゃ、今回も お気楽にちゃちゃ〜〜っと・・・・」
車掌: 「原稿用紙150枚くらい・・・・」
原田: 「ぅえ゛っ?!」
  編集部 注)↑あくまでフィクションです(^^;

あなたはKATO派?TOMIX派?
共にレールシステムとして確立された地位を築いているKATOとTOMIXですが、一体どちらで揃えれば良いのか・・・・
車掌: 「前回そこで終わったでしょ、だからどっちにしようか迷いに迷っていたんですョ」
原田: 「まあ、好みの方で揃えれば良いだけの話なんですけどね(^^)」
(1)実感味のKATO/走りのTOMIX
KATOのレールは、道床部がやや高く、道床の素材も如何にも“砕石(バラスト)”を敷き詰めている様な感じ、枕木の黒色差しもキリッと締まり、まるで新規敷設路線を思わせる外観をしています。また、ポイント部分の精度と耐久力、及び通電性*1は素晴らしく、また分岐角度(二股部分の開き具合)が緩やかで、実際の鉄道のヤードや駅の線路配置が手軽に、より本物らしく再現出来る様になっています。
 
*1 通電性
前にも説明した通り、模型列車のエネルギー供給はレールより行われます。が、分岐器(ポイント)部は、構造上レールが入り組み複雑な上、“選択スイッチ”的な機能も兼ねている為(ポイントの切り替わった側の列車にのみ通電する)電気的に絶縁してある部分があったり・・・とごちゃごちゃしている代物。
新品の内は性能も良いのですが、ある程度使い込んで来ると相応に“ガタ”も出てくるわけで・・・・
 
実際の鉄道では、ポイントの分岐角度は比較的緩やかです。その理由は何より乗客の安全及び、乗り心地への配慮であります。駅や信号所等で反位側*2に入る場合(十分に減速はしますが)車でハンドルを切ったのと同じで、曲がろうとする方向とは反対側に応力Gが掛かり、体が傾きます。
分岐角が緩いとその分挙動が緩やかになるため、掛かる応力も僅かで済む事になりますので落ち着いて乗って居られるというわけ。

勿論模型には人を乗せませんので、乗り心地云々まで気を遣う必要は無いのですが・・・・
 
*2 反位と定位
通常、反位と言う位置は、この位置に決まっていると言う位置が定位(ていい)と言い、その位置と違うことを反位(はんい)と言います。通常、鉄道では一般的に、ポイントで右や左方向へ行くときは反位側と言い、まっすぐ進むときは定位側と言います。
「さよなら999」で、鉄郎を乗せて発車した直後、機械化人によってポイントが切り替わり、999号が急制動を掛けますがこれがポイント反位側と言い、パルチザンが元に戻した位置を定位側と言います。
 
(2)KATOのユニ・トラックは敷設面の“段差”に弱い
レールの種類は数あれど、その老朽化が端的に表れるのがポイントレール。進行してきた列車がポイント上で突如ストップしてしまうというトラブルが非常に多いです。
これは、接触不良によりレールから車輪へ電源供給が出来ずに列車が立ち往生してしまうもので、ただ、レール上面が汚れているだけならアルコールで拭き取れば良いだけなのですが、内部的要因であればそう簡単にも行きません。
その点、KATOのポイントは精度が良く、耐久性良好。当方実際に使用していますが、ポイント上停止は滅多に起きず、その分心地よく運転が出来ます。

ただ、扱いにくい点もあります。

KATOのユニ・トラックの連結は、互いのレールに取り付けた電気接点付きのスナップ(ユニ・ジョイナーという部品)で「パチン」と繋ぎます。
このスナップ部は摩耗や変形(「繋ぎ外し」の繰り返しによって接点が歪む)により、レール間の通電が不確実になった場合の事を考えて、レール本体から取り外し、新品と交換出来る構造になっています。

一見「これはグットアイデア」的に見えますが、実はここがユニトラック最大の弱点でもあります。
車掌: 「通電の事を考えた構造でしょ?どこが弱点なんですか?」
原田: 「簡単に云うと、しっかり繋げないんですよ」
KATOのユニトラックはレールとそれを繋ぐジョイナーとが一体になっていない、つまりレールとレールを連結器で繋いでいる状態。2本のレールは一体化せず、敷設面に段差が有る場合、その影響がモロにレール面に表れてしまうのです。
仮に、線路敷設しようとする場所に3〜4ミリほど段差(高低)があったとしましょう。
例えば部屋と部屋をまたいで線路を敷く場合、部屋の仕切(ふすま)のレール部(敷居)に直角に線路を敷いたとします。ふすまのレール部は畳面より少し段差が付いている場合が多く、そこに線路を敷くのですから、僅かに登り下りする勾配が出来ます。

この際、登りに差し掛かるレールは平行に進んできたレールより角度(勾配)が付くわけですがその“角度”が継ぎ目部分に表れ、極端に云うと、“く”の字に折れた格好になります。

また、上りと下りの境目では、角度の付いたレール同士が交わるため、逆に“へ”の字に折れた格好になります。くの字の方は台車の自由度でカバー出来るので大した事はありませんが、への字の方は車輛の床下機器に接触すれば脱線を引き起こすこともあり大変です。

つまり、KATOのユニ・トラックは敷設面の“段差”に弱いのです。

畳敷きの和室や床面に段差の多い部屋では、ユニトラックはその威力を 発揮できないというわけです。段差のない「廊下」や全面フローリングの洋室等で用いるのが一番ベス トな使い方と云えるでしょう。
車掌: 「じゃ、和室にレールを敷くときはどうすんですか」
原田: 「そこでTOMIXの登場ですよ」


♪キーンコーンカーンコーン
原田: 「ありゃ、チャイムだ ではこの辺で」(すたたたたたた)
車掌: 「本職が忙しそうですね、がんばってね」
 
ちゃんちゃん!
 
次回は、「卓上汽車軌道建設記−4〜(軌道の選び方教えます)〜」を講義して頂きます。
 

銀河鉄道広報局「ギャラクシーれーるうぇい」第43号 2001年3月3日掲載




「卓上汽車軌道建設記−4〜(軌道の選び方教えます)〜」