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銀河鉄道 研修センター

【第5教室】

Nゲージ999号初心者講座

マイクロエース製Nゲージ999号について、講師を招いてのNゲージ初心者講座です。



れどりる: 「車掌さーん!講義始まります。」
車掌: 「あっ、乗務日誌書いてました(^^ゞ」
原田: 「それでは、れどりるさんレポートお願いします。」
れどりる: 「それじゃ、始めますよ」
  編集部 注)↑あくまでフィクションです(^^;

れどりるさんの「マイクロエース999号感想レポート」
999/Nゲージの実物を目の前で観てきた感想
T.V.版、劇場版 共に良い出来ではあると思います  
れどりる: 11月12日に999のNゲージの実物を目の前で観てきた感想です。
車掌さんのページにある999のNゲージ情報の足しにでもなれば幸い(?)と思い取材しました(笑)
「999マーク」が懐かしかった  
れどりる: 機関車は「マイクロエース」製なので、太鼓判です!
T.V.版の炭水車についている「999マーク」が懐かしかった…
原田: 「一時はどうなる事かと思いましたけどね。←ヘッドマーク云々」
車掌: 「劇場版とTV版がごちゃごちゃな設定でしたからね。試作品は」
戦闘車は「おまけ」程度  

れどりる: 戦闘車は「おまけ」程度に思っておいた方が無難です。はっきり言って、これだけは「いただけない」…無理がある(笑)
原田: 「実際TV版に登場する装甲車には、台車が無く、客車の間に挟まれる格好で編成組成されます。しかし、マイクロエースのポスター(パッケージ)のイラストでは、三軸の台車を履いた装甲車が描かれています。と云うことは、メーカーとしては装甲車を“台車つき”で発売する、即ち『カーブ走行対応』になるのではないかと云うことです。とはいえ、当方実際に模型を見ていませんので、あくまで推論ですが・・・ でも、無理がある外観じゃあ『繋いで走らせよう』という気が失せますね。」
車掌: 「なんか、装甲車の台車と上の砲塔部分が分離しているようですよ。でも、装甲車連結というのは私としては心強いんですけどね。」
原田: 「でも、エメラルダス号には、歯が立ちませんでしたね。」
車掌: 「・・・・」
T.V.版の増結は、客車の配色関係(?)上、ほぼ不可能状態  
れどりる: T.V.版の増結は、客車の配色関係(?)上、ほぼ不可能状態で、自分で塗り替えるしか手は無さそうですね。
(客車が)明るい茶色…さすがに市販品には存在しません…ついでに、T.V.版の客車は44系では無く42/43系だと思う。
原田: 「私はTV版の方が44系だと思います。でもスハ44ばっかり繋がっている(笑)『化石の戦士』の時に客車の外観が良く分かりますよね。但し、なぜか旧型客車の窓なのに上段下降・下段上昇式の窓に成っているのがちょっと謎です(いわゆるサッシ窓)アニメーターの設定ミスでしょうかねぇ?」
  「いきなり形式云々の話しに突入中!講義している方は面白いけど、車掌さん付いて来れてます?←失礼&心配」
車掌: 「まぁ、どうにか・・・はっはっは(^^ゞ」   
  「個人的には、42/43系でも44系でもどちらでも良いんですが、要するに客車が茶色系だったら文句はないな(笑)」
原田: 「尚、色の方は『明るい茶色』というより、“黄土色”に近いのでは?機関車はライトグレー+ジャーマングレーという感じですし・・・ どちらかといえばマイクロ製品は、より実際の鉄道車輛らしくリメイクした色に成っていると思います。」
車掌: 「宇宙空間を走行中の999号の客車は明るい茶色に見えて、駅停車中は黄土色って感じかなぁ。」
劇場版の増結は、「KATO」の車輌を増結出来そう。  
れどりる: 劇場版の増結は、基本的に「KATO」の車輌を流用していると思われるの
で可能だと推測されます。
以下、増結に流用できる車輌を列記してみると…

食堂車…マシ35/KATO

一等車…スロ60/KATO(青帯仕様)

 

二等車…スハ44/KATO

荷物車…マニ60/KATO

れどりる: 残念ながら、この形式に「寝台車」は存在しません。無理を承知でオハネ10(茶色に塗替)を連結する手はあります。
原田: 「それに、劇場版編成を再現するには幾つかの問題点が・・・」
  1. 風呂付き車はどうなるのか?
シャワールームを持った車輛なら北斗星やトワイライト等にありますが、実際に“湯船”を持った車輛は存在しません(水を食い過ぎます)

2. 実はスハ43系?
車輛の外観、窓割りからみて劇場版の客車形式はスハ43ではないかと思います。そうなると、この形式には上等車/寝台車等の車輛は有りませんので編成がオール“3等”になる可能性大です。あと、展望車ですが、通常1等車を示す「白帯」が車体側面に入っている筈なのに入ってない
う゛〜ん 今回の旅は解らないことばかりでして・・あたしにはもゥ〜
車掌: 「だから、それあたしの台詞だってば!」
原田: 「何両編成にしたら良いのか・・・」
  999を再現するに当たっては永遠の課題です・・・ 多分“幹線特急”張りの12両か、新幹線ナイズの16両か・・・ でも、車掌さん 検札とか大変そう・・・
「スハ44系 つばめ/はと 7両セット」が発売中  

「スハ44系 つばめ/はと 7両セット」 KATO製

れどりる: 尚、KATOより「スハ44系 つばめ/はと 7両セット」が発売中。食堂車/一等車/二等車は これより流用可だと思います。ちなみに私は買ってます(無駄遣い・笑)
原田: 「でも、マシ35は似合いますよね(^^) 999に・・・」


劇場版

TV版

れどりる: 「ちなみに僕は、劇場版のみ購入予定(予約済み)です(笑)」
  「両方は…ちょっと手が出ないなぁ…何しろ約\45,000だしね」
  「車輌ケースの絵柄も「劇場版」の方が好みだし(爆)」
車掌: 「個人的にはTV版がお勧めなんですけどね。炭水車のプレートなんかは999号を一番表現している部分だと思いますです、はい。」
後輩車掌: 「れどりるさーん!出発の時間です、はい。」
原田: 「あっ、車掌さんが二人いる・・・」
車掌: 「後輩、久しぶり!」
後輩車掌: 「先輩もお元気そうでなによりです、はい」
れどりる: 「それでは、また!」
原田: 「なんだか、れどりるさんと全面対決みたいになっちゃいましたが、悪気はないですョ。(^^;;」
  「すみません、内容濃すぎました?(反省)」
車掌: 「はい、かなり(笑)」


卓上汽車軌道建設記 〜(一歩踏み出そう!ミニ鉄道の世界)〜
原田: 「それでは、いよいよレイアウトの建設の話しをしましょうかね。さて、形式表記云々の説明をしている内に、講義も4回目に突入してしまいましたが・・・・」
車掌: 「みんな・・・・・・寝てる」
原田: 「な〜んだ、そんな事かぁ・・・って  い゛ぃぃぃぃぃ??」
車掌: 「さて、私はひとッ風呂浴びてサッパリしよっと!」
原田: 「をい!」
  今回から(ようやく)Nゲージについて踏み込んで行く事とします。
鉄道模型 なぜ小さく有るべきか  
鉄道模型とひとくちに言っても、大きいのから小さいのまで色々あります。が、ただ単に大きさが異なるというだけではなく「縮尺が小さい模型を作れる」という事即ち、《列車を駆動する“動力ユニット”の小型化》のお陰であります。
電力で動く屋内運転用の模型で、代表的なゲージは以下の通り
O(オー)ゲージ  
鉄道模型が一般に浸透して来る初期のゲージで、車体も大きく、部屋の中での取り回しは結構苦労する。が、何と云っても車輛の大きさから来る“存在感”は素晴らしい・・・
というより、「当時はこれ以上小さい動力ユニットを作れなかった」というだけの話。現在ではリアリティを追求したディスプレーモデル的存在です(←勿論走ります)
HO(エイチオー)ゲージ  
Oゲージの半分の縮尺(Harf O-gauge)から来た名前を持つゲージ。Oゲージでは部屋での取り回しに苦労するが、このゲージでは特に違和感の無いサイズとなる。(縮尺1/80 レール幅16.5mm)

動力の小型化による模型自体のコンパクト化により誕生したゲージで、現在では、Nゲージの兄貴分としての存在。
Nゲージ  
HOよりも更に小型の動力が作成可能になると、より模型の小型化は進み、それにより誕生したのがこのゲージ。車輛は1/150で手のひらに乗るサイズまで小さくなり、運転も部屋で楽々出来る大きさと成った。
 
つまり、ゲージの変遷は、動力の小型化によって引き起こされたものであると云うことが出来ます。より小さく、より安定した走行性能を発揮する駆動ユニットを開発/改良するという、模型メーカーの熱意が有ってこそ、今のNゲージが存在するといっても過言ではないのです。

Nゲージ豆知識 「駆動ユニットいま・むかし」
 「駆動ユニット」の付いた車輛を、模型では「動力車」または 「M車」(MotorのM)と呼び、編成ものの「電車」や「気動車」では編成の中間(仮に7両編成なら中間の4両目がM車)に配置されています。
 機関車牽引方式では(機関車が動かないとサマになりませんので)勿論先頭がM車です。
 Nゲージの駆動ユニットには色々有りますが、大抵がキャラメル程度の大きさの小型モーターによって駆動されています。勿論、Nゲージ初期にはモーターも今より若干大振りでしたので、車輛の“床下*1”には収まらず、客室内に堂々とモーターが居座っており、遠巻きに見ても「あれが動力車だ!」と、一発で解る代物・・・・
 また、モーターやギヤ等の精度がそれなりでしたので、昔の動力車は大抵“雑音”(轟音?)を振りまいて走っていました。
 今ではユニットの小型化、省スペース化、精度の向上により「えっ?これが動力車?!」と疑うようなリアルな外観、かつ静粛な走りのものへと成長しています。

 *1 床下
 車体から下の部分を指して云う。実際の車輛ではここに走行/ブレーキの為の機器・電源装置/ときとしてエアコン/台車などを備えている、云わば鉄道車輛の“内臓”に相当。
 通常は「床下(ゆかした)」と読むが、JR社員にして共にNゲージャーである友人は「トコシタ」と読むのである。どちらが正しいのかは定かでない)

Nゲージ豆知識 「駆動ユニットいま・むかし」


“走らせる”事を是非考えて見て下さい  
車掌: 「ちょっと待って下さい。なんでそこまでして模型を小型にしなきゃなんないんですか?」
原田: 「部屋で線路張って走らせるなら、小さい方が楽でしょ?」
そうです。特に日本の住宅事情(狭い)から考えると、あまり大きな模型を部屋で走り回すわけにも行かないのです。模型のスケールが大きいということは、その分レール自体も大きく、それを組んで一周ぐるりとエンドレスにした所で、到底部屋には収まり切らない・・・・なんて状態では、とても運転どころの話ではありません。

かといって、限られたスペースに短いレールを張って、端から端まで「行ったり来たり」の繰り返しではいづれ運転自体に飽きて、折角の車輛も部屋の“置物”と化してしまいます。

模型運転の醍醐味の一つに、「実物を真似た運転をする」というものがありますが、そのためのレール配置や、実際にある駅/機関区などの役割を模型で再現しようと“欲張った”場合、模型自体が小さく省スペースな方が、限られた「部屋」という一つの空間の中において大きな模型よりも、より有効に線路を敷き回す事が出来ると云うわけです。その為にも、模型車輛は、より“小さくある”べきなのです。

例えば、ただグルグル走り回るだけの小判形のエンドレスに駅舎とプラットホーム、そしてポイント(分岐)を追加したとします。

そうすると・・・・
列車の発車、停車の動作が追加されます。  
ただ単に「止める/走る」なだけなら、模型の操作を行う「パワーユニット」(コントローラーだと考えて下さい)に、列車の速度を調節するツマミは必要無いはずです。駅を静かに滑り出す列車の「加速」の再現や逆に列車が駅に差し掛かる前の減速操作、ホームに自然に(急ブレーキ停車でなく)減速しつつピタリと止める・・・
もしくは、快速・特急と想定し、駅を軽く徐行しつつ通過する等、実車に基づいた運転へとイメージが膨らみます。
ポイントの切り替えで2つの列車を個別に走らせられます。  
単線(地方の路線等に良く見られる、線路が一線しかない路線のこと)では、上りの列車と下りの列車の「すれ違い」は、主に駅や信号所等の線路が二股(二線)になっている箇所で行われます。これを模型に再現することで、2つの列車を走らせて楽しむことが出来ます。一方の列車を駅に停車させ、ポイントを切り替えると、もう一方の列車が駅を発車し、エンドレスを一周して元の駅に戻ってきたら、今度は再びポイントを切り替えて、初めに操作していた方の列車を発車させる・・・
これだけでも大分運転に変化が持たせられ、また、運転の楽しさも実感出来ると思います。
ここまで来ると「停車時間」などにも拘りたいですね。  
仮に、2つの列車の一方を特急電車、もう一方を普通客車列車と仮定しましょう。
特急は“急ぎ旅”状態ですので、暫く止まってあわただしく発車するという感じ、駅への停車時間も短く、発車時の加速もスピーディー、巡航速度もやや早めで運転。
対して普通客車列車はのんびりさを醸し出すために、やや巡航速度を遅めにし、駅ではもっぱら「停まり役」で特急に待たされるか、追い越されるというシチュエーション。特急を何周か連続運転して、その間普通列車を駅に停めっぱなしにしておけば停車時間の「長さ」も再現出来ます。
 
と、運転に幅が生まれ、その分、走らせて遊ぶ楽しさも倍増すること請け合いです。

つまり、限られたスペースの中でも、レールを自由に敷設出来るサイズのNゲージは「走らせてナンボ」、走行させる事にこそ意義のある鉄道模型ということが出来るのでは無いでしょうか。
他の大型ゲージが“車輛の精密さ”から来る「圧倒的な存在感」で魅力を出しているのに対し、Nゲージはむしろその逆にディテール(車輛の外観の形状や機器の形状を指して云う)は、そこそこに留め、その代わりパワフルで耐久力のある動力ユニットを搭載し、走らせる楽しみを重視する事で、サイズの小ささから来る「存在感の無さ」をカバーしていると云えます。

とはいえ、最近ではプラスチック成形技術等の向上により、より実車に近いディテールを再現したNゲージが登場して来ていますし、決して大型模型に引けをらないレベルまで車輛自体の精密度も向上しています。
 
皆さんも、999を入手されましたら、「棚に飾っとけばいいや」ではなく“走らせる”事を是非考えて見て下さい。

そこからNゲージの世界が広がって行くはずですから・・・・
車掌: 「そりゃ〜走らせてみたいけど、何を使って走らせりゃ良いんだか・・」
原田: 「えーと、それなら先ずは線路を・・・・」

♪キーンコーンカーンコーン
車掌: 「って、これからって所でチャイムに邪魔されますねぇ〜」
原田: 「実はここが持ちネタの切れ目だったりして(^^;)」
車掌: 「講師も次回講義までに“宿題”(←原稿)抱えてるってわけね」
原田: 「ハイです(苦笑)」
 
ちゃんちゃん!
 
次回は「卓上汽車軌道建設記〜一歩踏み出そう!ミニ鉄道の世界〜質問編その1」を講義して頂きます。
 

銀河鉄道広報局「ギャラクシーれーるうぇい」第38号 2000年12月11日掲載




「卓上汽車軌道建設記〜一歩踏み出そう!ミニ鉄道の世界〜質問編その1」