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銀河鉄道 研修センター |
【第5教室】 Nゲージ999号初心者講座 |
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マイクロエース製Nゲージ999号について、講師を招いてのNゲージ初心者講座です。 | |
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車掌: | 「なにをグースカやってんですかあぁぁぁぁぁ(ちょい怒)」 |
原田: | 「うが・・・ って なんだ、車掌さんかぁ」 |
車掌: | 「なんだじゃないですよぉっ (マッタク) 原稿書いてもらわないとメルマガの発行が遅れます! 当メルマガにダイヤの遅れは許されませんので、ハイ」 |
原田: | 「なんかサザ○さんのイササカ先生状態・・・」 |
車掌: | 「つべこべ云ってないで書いた書いた!」 |
原田: | 「ふぇぇい・・・・」 |
編集部 注)↑あくまでフィクションです(^^; |
覚えておくと役に立つ?「汽車知識」其の1 車輛の形式表記篇 | ||||||||||||||||
車輛の土手っ腹に書かれたカナと数字の奇妙な羅列、これは一体何を表しているのでしょうか 実は、これでその車輛の「重量」「用途」等がわかる重要な表記なのです。機関車で云えばナンバープレートの様なものであります。とはいえ、電車・気動車・客車・貨車と表記の仕方が異なりますが今回は999編成ということで、客車に用いられている書式で見て行きましょう。 |
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「スハニ35-1」 これから説明する記号は、赤文字の部分を説明いたします。 |
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一番先頭のカナはその車輛の”重さ” | ||||||||||||||||
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古い古い時代の小型客車に用いられていたもの | ||||
先ずは先頭のカナから・・・・ 一番先頭のカナはその車輛の”重さ”を表しています。階級には「コ・ホ・ナ・オ・ス・マ・カ」の7段階があります “コ”なら22.5トン以下 “ホ”なら22.5トン以上27.5未満の車輛 なのですが、このコ・ホは古い古い時代の小型客車に用いられていたもので、現在ではまず見かけません。 (保存鉄道等*1ならあるかもしれませんが・・・) つまり現在でも通用するレベルの装備を持った旅客客車からすれば遙かに軽い重量の位ということです。 ※貨車ではコ・ホの用いられている形式がありますが、これはこの階級のものではなく、貨車独自の形式の付け方によるものです。参考までに、貨車で云う「コ」はコンテナ車*2のコ、「ホ」はホッパ車*2のホと使用用途による区別になっています。 |
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*1 保存鉄道
また、駅や建物等も“明治”時代の様式を復元している・・・これこそまさにその時代を「保存」したかのような鉄道風景だから保存鉄道と云えるわけです。が、ここまで舞台が揃っているのは恵まれた例、大抵の場合、一旦利用客の減少で「廃線」となった地方私鉄に残っていた古い車輛を鉄道ファンやその地方の観光協会・役場等が費用を工面して復元し、わずかに残した(もしくは新規に張り直した)レール上を走らせて観光客を呼び込もうという地域活性化的な要素も持ち合わせていると云えます。 |
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*2 ホッパ車、コンテナ車 どちらも物資を輸送する貨物車でして、ホッパ車は穀物類等を運ぶ為に作られた車輛です。走る“サイロ”(米などを保管する設備のこと)だと考えて下さい。ホッパ車の上にはハッチが有り、ここから輸送しようとする穀物を積載・そのホッパの下側は逆ハの字形にすぼまっており、その一番下に開閉可能なハッチがあります。これは積載した穀物を降ろす時に使用されるもので、ここを開けると砂時計の砂の様に「ザーッ」と一気に積載物を降ろすことが出来ます。これと似たものでは、似たような仕掛けで石炭を運ぶホッパ車では、石炭の「セ」の記号の付いたものや、同じ「ホ」でも、保線用にレール下に敷く砂利を専門に運搬する貨車も有ります。 コンテナ車は今やJR貨物で大活躍の貨車。 昔の貨車といえばその形式・種別によって「積める荷物」の種類が違った、ひっくり返して云えば、“それ”を運ぶために作られた専用の車輛が、雑多に列をなして列車を形成し、物資を運んでいるという事であります。 対してコンテナ車の場合、物資を運ぶのは車輛の上に乗っている着脱自由なコンテナ(箱)で、列車自体は“台枠”(車輛の骨組み)でしか無いと言うことが大きな相違点です。 昔の貨車編成は、全国の要所要所に設けられた「貨物駅」にて、一旦編成をバラバラにし、行き先別に並べ替えるといった面倒くさい作業が必要でしたが、コンテナ車の場合は目的地の貨物駅に着いた時点で、そこ止めの積荷(コンテナ)を台枠からフォークリフトで降ろしてやればそれで作業完了、積み荷を降ろした車輛はその後“空荷”のまま「台枠」として走るわけで、編成をいちいち切ったり繋いだりしなくても良いわけです。勿論その台枠に再度別の行き先の荷物を積載・・・といったことも自由に行えます。また、降ろしたコンテナを専用のトラックに乗せて届け先まで直接配達といったサービスが出来るのも利点の一つ。なにより素晴らしいのは、品物を輸送するために、専用の“貨車”を所有しなくても済むという点です。貨車も車輛ですので、運転に際して定期検査だの、更新修繕だの・・・と経費が掛かります。会社としては物資の輸送コストを出来るだけ下げたいという狙いが有りますので、私有貨車を所有するより、上の箱だけを管理する方が安上がりで済みますし、その会社の運びたい物資の形態に応じたコンテナを自由に作れるのも強み、後は台枠に載せるだけで全国どこでも輸送OKと云うわけです。コンテナで実際にある物で面白い物を2〜3ピックアップしてみますと、 ・某自動車会社の所有する「上下2段積み!自動車積載専用コンテナ」 ・食品会社の所有する「冷凍機付き 走る冷蔵庫コンテナ」 ・化学薬品の会社では旧来のタンク付き貨車でなく、「タンク“だけ”作って載せてます タンクコンテナ」 てなものもあります。今後ますますコンテナ輸送が進化していくと、アッと驚く様なアイデアで物資を運ぶ新型コンテナが次々に開発されていくかも知れません。 |
原田: | 「例によって長い説明になってしまった・・・」 |
車掌: | 「でも、内容は掴みにくい・・・」 |
原田: | 「ほっといて〜〜〜ッ!(苦笑+叫び)」 |
軽量客車と呼ばれています | |
ここからは割と馴染みのある重量階級です “ナ”は27.5トン以上32.5トン未満の車輛 形式の最初にナを付けた車の中でも特に有名なのは少し以前に廃車になってしまいましたが、初代ブルートレインの名も高い20系という寝台客車です。通常、寝台車といえば設備的な面でどうしても重くなりがちなのですが、この編成に至っては、電源車(編成の一端に付いて、その編成の照明、空調等に必要な電気を起こすための車輛のこと・主にディーゼルエンジンで発電機を回す方式が一般的)のみ“カ”の位であるだけで、あとの車は全て“ナ”の位の重量で収まっているのです!このことから、軽量客車と呼ばれています。 |
客車形式の中で良く見られるもの | |
“オ”は32.5トン以上37.5トン未満の車輛 “ス”は37.5トン以上42.5トン未満の車輛 この2つ(オ・ス)は、客車形式の中で良く見られるものです。年代的にも旧型客車(いわゆる999編成みたいな客車のこと)から近年の客車まで幅広く見られます。 |
車掌: | 「[スハ44-2]の客車は、重さが32.5トン以上37.5トン未満の重さなんですね。」 |
原田: | 「そう言うことになりますです。ハイ」 |
車掌: | 「あっ、しゃべりが移りましたね(笑)」 |
原田: | 「移っちゃいましたね、ハイ。あっ・・・」 |
重量級の車輛 | |
“マ”は42.5トン以上47.5トン未満の車輛 “カ”は47.5トン以上の車輛 この辺りになってくると、重量級の車輛だと云うことが出来ます。マの位では、旧型の寝台車や食堂車、荷物車(その名の如し、荷物を積んで走る客車です)展望車(設備が豪華で、かつ昔の設計の客車なので車体ばかりが重い為)カの位ともなれば重さも最上級で、電源車や一部の食堂車等、見るからに重そうなものばかりです。999に付く「装甲車」もこの位の重さはあるのではないかと・・・(装甲板とか砲塔とか・・・重そうですからね) |
車掌: | 「装甲車は、自ら判断し戦闘するコンピューターが搭載されていますからね〜」 |
原田: | 「そうなんですよねぇ〜」 |
車掌: | 「展望車は[マイテ58-1]と言う客車が連結されると言う話ですがかなり重い客車だったんですね。」 |
原田: | 「そうなんですよねぇ〜」 |
次に、2つ目以降のカナについては・・・ |
♪キーンコーンカーンコーン | |
原田: | 「ありゃ? しまった!今回 質問の補足説明だけで終わってしもおたぁぁ」 |
車掌: | 「はい、終了時間となりましたです。」 |
原田: | 「もう少し説明させて〜」 |
車掌: | 「ん〜、困りましたねぇ、講習の時間割が乱れますです。ハイ。」 |
原田: | 「前途多難です・・・(^^) というわけで、後の編集は車掌さんの方で宜しく〜」 |
車掌: | 「そんな無責任な〜ッ」 |
原田: | 「いゃ 申し訳有りませんです。」 |
車掌: | 「それ あたしの台詞ですょ!」 |
ちゃんちゃん! | |
次回は覚えておくと役に立つ?「汽車知識」其の2「車輛の形式表記篇2」を講義していただきます。 | |
「スハニ35-1」
ここまで説明した記号は、赤文字の部分でした。 |
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銀河鉄道広報局「ギャラクシーれーるうぇい」第36号 2000年11月12日掲載 |