| 011 鉄郎の謎-1 |
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−鉄郎の年令設定はなぜ変更されたのか?−
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なぜ劇場版『銀河鉄道999』(1979年公開)では、鉄郎の年齢設定が変更されたのか?
劇場版『銀河鉄道999』(1979年公開)のプロデューサー高見義雄は、 |
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「テレビの鉄郎っていうのは、10歳ぐらいだけど、今回15歳に引き上げた鉄郎というのは、10歳の鉄郎が15歳になったら、多分ああなるだろうという前提で、全然別の人間じゃないんですよ。
― (中略) ―
鉄郎君が15歳になったという理由はね、僕らが青春前期の映画をここで作ろうとしたからなんだよね。なぜかというと、一番最後に999号が行く先で、ものすごく大きな人間としての試練っていうかドラマが控えているわけなんです。そこで、相拮抗でできるっていうのは、そのぐらいの年令になっていないと、今までの年令じゃ、うんと子供じみた物語になっちゃって、テーマからくる決着がつかないと思うんですよ。それで、あえて15歳にしたんです。」
(ロマンアルバム・デラックス24『銀河鉄道999』徳間書店、1979年、86、98頁) |
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という。
そして、松本零士は次のように語っている。 |
「鉄郎が思春期と訣別していくまでを描いた物語になっているんですが、鉄郎が男として自立していく姿を表現するためには、TVの鉄郎では幼すぎるわけ。ギャグマンガになってしまうおそれあり……。そこで背を伸ばしました。これはもう単純なんだけど、メーテルと目線が合わないということも理由にはなっているんだけどね」。
(ロマンアルバム・デラックス24『銀河鉄道999』徳間書店、1979年、98頁)
「基本的には今までの鉄郎のままでいきたかったんですが、連れのメーテルとのバランスがとれなくなり五歳年齢をあげることになったわけで、鉄郎自身は変わっていません」。
(『映画銀河鉄道999大百科PART-2』勁文社、1979年、162頁) |
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−鉄郎、10歳から15歳までの空白の5年間−
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原作版及びTV版『銀河鉄道999』の鉄郎は、母と死別した直後にメーテルと出会い、そして銀河鉄道999で旅立っている。
しかし、劇場版『銀河鉄道999』の鉄郎は、10歳で母と死別した後、メーテルと出会うのは15歳になってからなのである。それまでの5年間に鉄郎はどのように生きてきたのだろうか。劇場版の鉄郎は、雪の中からメーテルに助けてもらえなかったのだから。
劇場版『銀河鉄道999』の最初の場面には、実は『導入部 B案』という本編に採用されなかったストーリーがあったのだ。
そこには鉄郎が5年間生きてきた痕跡が伺える。 |
人々を、おしのけるように、ゆっくりスラムの暗い石だたみの上を進んで来る給食車。
スピーカーが、伝える。
スピーカー「本日のメニューは、合成パンと合成スープ……先着百名にかぎり特別の配慮により、無料サービス」
われ先にと、給食車に賭けよる人々。おされ、踏みつぶされる弱い女、子供。
集まってゆく人々を、反対にかきわけ、憤然とした表情で出て来る少年。星野鉄郎である。
鉄郎、子供の顔を見つめる。
鉄郎「どうしようもない……食料は今日も手にはいらない……」
子供、しくしく泣きながら路地へ消えてゆく。
鉄郎、その背中へ向かってつぶやく。
鉄郎「オレは……五年間がまんしたんだ……それでも、このとおり生きているんだ……いつかオレたちの時代が来るさ。それまで、がまんしようぜ……がんばれよ!!」
鉄郎、はるか上層の輝くビル街を見上げる。
灯火が宝石をぶちまけたように交錯し、光り輝く上層ビル群。
鉄郎「あそこには、オレたちを虫けらだと思っている機械化人間たちがいる……人間は食べものがないと生きてゆけないということを忘れたヤツらが住んでいる!!」
鉄郎、目の前の金色のキノコをちぎって食べる。
ペーッとはき出す。
チャリン……その動作のために鉄郎の首にかけていたネックレスのクサリが切れて地面に落ちる。
鉄郎、それをゆっくりと拾い上げる。
クサリの先で小さく銀色に光っているペンダント。
ペンダントのアップ。ドクロの旗印のレリーフ。
鉄郎、それを握りしめる。悲しそうに苦しげに顔をしかめると歩道へ座り込む。
鉄郎、小さく口の中でおし殺したようにつぶやく。
鉄郎「母さん……」
鉄郎、ふと目を上げる。
いきなりペンダントと似た図柄のドクロが目にとびこんで来る。
ぎくりとする鉄郎。
それは古ぼけた手配のポスターだった。
「WANTED!!右の者無法の反逆者。海賊キャプテン・ハーロック」
捕まえた者に良質のエネルギーカプセル一年分、またはパフ二百個
生死を問わず
鉄郎「なんだ、手配書か……」
鉄郎の後ろに人影……。
人影は女……鉄郎の後に影のようにたたずんでいる(メーテル)。
影「給食はもらわなかったの?あなたは一番給食車の近くにいたのに……」
鉄郎「見てたのかい。そうさ、近くにいたさ。でもぼくはほどこしは受けたくない!!いつか自分の力で、食べ物ぐらい手に入れてみせるさ。だれがめぐんででなんかもらうものか!!」
(『銀河鉄道999設定資料集 週間少年キング増刊10月28日号』少年画報社、1979年、85頁) |
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だが、10歳だった幼い鉄郎が一人でこんなにたくましく育ったとは考えられない。
劇場版『銀河鉄道999』の最初に鉄郎の仲間が登場したことからわかるように、そこには次のような環境があったからなのだ。 |
―999に乗れば、無料で機械の体をくれる星へ連れて行ってくれる。
そんな噂だけを信じて集まった人々は、メガロポリスの一角に住みついた。しかし、貧しい者には、999のパスを手に入れることさえ容易ではない。ほとんどの人間が、かなわぬ夢にすがりついて食うや食わずのその日暮らしを送るうち、彼等の住む街の一角はスラム化していった。
ガスも水道も電気も止められ、異臭がよどむ町並み……貧しい者達の涙と溜息の捨て場所……そのスラムで、鉄郎も少年時代を過ごした。
母を機械伯爵に殺され、誰一人として頼れる者もない小さな野良犬……本来なら、虫ケラのように死んでいたところだ。しかし、彼が迷い込んだスラムには、温かい人情があった。その人情と持ち前のバイタリティーで、鉄郎は育っていったのだ。
いってみれば、スラムは鉄郎の故郷であり、母のやさしくて温かい胎内でもあった。
(ソノラマ文庫『さよなら銀河鉄道999 (1)』朝日ソノラマ、1981年、34頁) |
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MRI
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012 鉄郎の謎-2
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