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銀河鉄道株式会社 地球本社

メガロポリス総合研究所

Megaropolice Research InstituteCo.,Ltd.

青が散るさん管理人の「メガロポリス総合研究所」が閉鎖に伴い、当社がレポートを引き継ぐことになりました。青が散るさんがまとめた貴重なレポートを保管しています。



009 メーテルの謎-2

−『さよなら銀河鉄道999』までの空白の時間−

 
 劇場版『銀河鉄道999』(1979年公開)から劇場版『さよなら銀河鉄道999』(1981年)までの空白の時間をメーテルはどのように過ごしていたのだろうか?
 この答えは、『さよなら銀河鉄道999』の脚本家である山浦弘康がノベライズ化していた。
 だが、母を、自分を産んでくれた母を我が手で滅ぼしたという心の傷は、ずっとメーテルを責めつづけてきたのだ。それは耐えがたい程の痛みであった。ただひたすら、贖罪の祈りを捧げる毎日であった。
―ところが、である。
 惑星メーテルと共に滅びたはずの機械帝国が、再び復活し、以前にも増してその勢力を広げていったのだ。
〈母は生きている!〉
 メーテルにとって、それがどんなに衝撃的だったか、あえて言うまでもない。
 しかも聞くところによると、母は肉体の伴はない魂だけの存在になって君臨しているという。
 メーテルは、母プロメシュームの強さを改めて知った。
〈私は負けた……〉
 心の中ですべてのものが音をたてて崩れていった。残ったのは虚ろな笑いだけだった。時の流れに身をまかせて、小舟のようにさすらうメーテルであった。
 そのさすらいの途中で、メーテルは思いもかけない話を耳にした。
―鉄郎がメーテルのメッセージ・カードで呼び出されて、999で旅をしている。メーテルは茫然となった。
 鉄郎―無理矢理、記憶の彼方へ押しやった少年の名前が、鮮烈なイメージで吹き上げてきた。
 偽のメッセージ・カードを作ったのが、プロメシュームであることはじきに判った。
〈よりによって、あたしの名前を使うなんて……〉
 卑劣なやり方にメーテルは怒りを覚えた。それにしても、なぜ、そんな手段を使って鉄郎を呼び寄せたのであろう。
 鉄郎を抹殺するのが目的なら、もっと単純明確に殺せばいい。呼び寄せるからには、鉄郎を味方に取りこもうとする意志があるはずだ。
 だが、プロメシュームがそんな意志を働かすだろうか。他の誰かが考えたことに違いない。
〈それをさぐるためにも、そして、鉄郎を救うためにも、999に乗らなくては……〉
 そう心にきめると、遊星ラーメタルへと向かったのだった。
 そのあと、999に乗って鉄郎と再会したメーテルは、謎をつきとめた。
 即ち、鉄郎を呼び寄せた相手は黒騎士ファウストだったのだ。
―黒騎士ファウスト。
 その名はエメラルダスから聞いたことがあった。鉄郎にとっては実に重大な意味を持つ人物―その黒騎士が鉄郎を呼んだとは。
〈このままでは、恐ろしい悲劇を招くことになる〉
 その悲劇から鉄郎を救おうと、メーテルは銃口の前に身を投げた。その甲斐もなく鉄郎は黒騎士と戦い、さらに旅をつづけて、ついに惑星大アンドロメダに到着したのだ。破局の待つこの星に―。
 鉄郎はもはや、かつて一緒に旅した頃の少年ではなかった。戦いの中で一段とたくましく成長していた。男の匂いさえ感じた。
 メーテルの愛―年下の少年へのほのかな愛は、もっと高まり、男と女の愛に近いものになっていた。そして、その愛がメーテルに決断させた。
〈鉄郎を救わなくてはいけない、どんなことをしてでも……〉
 そのメーテルの意志は、しかし、鉄郎にとって手ひどい裏切りとしか見えない手段でしか実現出来ないのだ。
 しかし、たとえどんなに鉄郎が傷つこうとも、そうするしかない。
 メーテルは決然と顔をあげた。
(ソノラマ文庫『さよなら銀河鉄道999 (2)』朝日ソノラマ、1981年、89〜92頁)
 
 このサイドストーリーを読んだ後、もう一度劇場版『さよなら銀河鉄道999』を観るとメーテルの行動がよく理解できる。
 

MRI

 

010 メーテルの謎-3

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