9月4日(日)に愛知県長久手町にて、日本劇作家大会長久手大会が開催され、その中のイベントの一つなんですが、「声優、チェーホフを読む。」というものがありました。嫁さんの出産間近で当日ドタキャンの可能性もあったんですが、無事当日は行けましたので、イベントの報告なんかをしたいと思います。
会場となった「長久手文化の家」は、リニモはなみずき駅からちょっと歩いたところにあります。結構、新しいホールで大きいな施設でしたね。関係ないけど、ここの施設内にある「花ごよみ」というお店では、モーニングサービスがいろいろ付くようです。長久手に来たら、モーニングでも食べてきてください(笑)。茶碗蒸しとかおにぎり、朝がゆがモーニングサービスで付くのは、なかなかありませんよ。トースト、サラダは別に珍しく無いけど・・・
話を元に戻しまして、事前予約しておいたので、受付で入場料金を支払い、ホールロビーへ。セロリさん、ゆきだるまさんと合流し、初対面での挨拶。まぁ、いつもそうなんですが初対面なんですが初対面の気がしないのはいつも通りですね。イベントが始まるのが、11時からなんですが、10時半近くになると、人が多くなってきて、会場となる「森のホール」前は入場する人たちで並び始めました。意外に多かったですね。
それでは、4人が朗読をするチェーホフさんとはどんな人なのか、ちょっと調べてみました。
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アントン・チェーホフ(1860年1月29日〜1904年7月15日)
1860年1月29日 - 1904年7月15日)はロシアを代表する劇作家であり、また優れた短編小説家である。タガンローグに生まれ、ドイツのバーデンワイラーで療養中に死去した。
アントン・チェーホフはロシア最大、おそらくは世界でも有数の巧みな小説作家。また最晩年の四つの戯曲、『かもめ』『三人姉妹』『ワーニャ伯父さん』『桜の園』の作者として、伝統的な戯曲と対照を成す新たな領域を切り開いた劇作家でもある。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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チェーホフの代表作の一つ「かもめ」の一部を今回は、4人が演じることになります。トークの中で話が出てきたんですが、前もって台本を渡されていたわけではなく、当日に渡されて、本日の本番を迎えているそうです。
私たちは、ホールの後ろ側で陣取ることに。そして、11時になり、開始の合図であるチャイムが鳴り響くと、周りが暗くなります。そして、あの声が聞こえました。
「今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る。今、万感の思いを込めて汽車が行く。」
おう、いきなりそう来ましたか。肝付兼太さんのセリフから始まった「声優、チェーホフを読む。」。そして、キートン山田さんの朗読があり、池田昌子さんの朗読と続く。どうやって聞いても、池田さんの声は「メーテル」。山田さんの声は「ちびまる子ちゃん」のナレーターの声。そして、野沢さんの朗読が続きます。10分も経過していなかったでしょう、いきなり、前半が終了。司会者が登場し、声優さんの紹介とトークが始まりました。
司会者が声優さんの紹介をしていきます。「メーテルとお呼びしても良いでしょうか。池田昌子さんです。」「今回、始めて気づいたんですけども、一休さんの将軍様の声をやってらした。キートン山田さんです。」「孫悟空はあまりにも有名ですが、鉄郎からいなかっぺ大将まで、もう代表作を上げたらキリがありません、野沢雅子さんです。」「どうでもいい話なんですけども、私、骨川スネ夫くんと同じ誕生日です。肝付兼太さんです。」てな感じで紹介をされトークが始まりました。数分でまた朗読が始まるのかなぁと思いきや、永遠と続く4人の昔話や裏話。司会者も止めようと努力しているのかどうかはわかりませんが、ず〜と黙っているし、時々、キートン山田さんが司会者に「止めないと、昔話ばかりしゃべってますよ。」って気にしていたりと、トークショーそのものでしたね。ほんとに面白かった。池田さんの声優は、特に声を変えることはせず、地声そのままだったんですね。ですから、トークショーでしゃべっている声も朗読の声もメーテルそのもの。
時には、現在の声優の世界の現状の話し、自分たちが今まで努力してきた話し、アニメーションの話しなど、まじめな話や面白い話などを織り交ぜながら、生ならではの盛り上がりで楽しかったですね。今の声優の仕事は、いろいろアニメーション以外でも増えているそうで、ゲームのキャラクターの声や、コマーシャルのナレーション、携帯電話の着信ボイスなど、様々で、野沢さんなんかは、自分の声で携帯電話が鳴るとイヤなんだそうです(笑)
着信ボイスなんかで、どんなものを収録したかとかの話が出てきて、キートン山田さんの「後半へ続く・・・」という有名なナレーションで、前半のトークは終了、後半の朗読「チェーホフ カモメ」へ繋げました(笑)
声優をしていて、日頃気をつけていることで質問が出てきまして、池田昌子さんは「歩くこと」が健康の秘訣ということで、このイベントの前日は、「愛・地球博」へみんなで行ってきたんだそうです。この日の「愛・地球博」は、最多入場者数23万人を記録したとニュースが流れていた日。この23万人のうち4人が、池田さん、野沢さん、肝付さん、山田さんだったようです。人が多すぎて、パビリオンはどこも入っていないそうで、雰囲気だけ楽しんできたらしいです。
会社員時代の話しなんかも出てきまして、キートン山田さんは、声優になる前は一般の会社に勤務していたらしく、野沢さんが「ボーナスもらったことあるんだ。」と、ボーナスもらったことがないと言うことで、羨ましく思っていたそうです。
いろいろ話題が出てきまして、朗読した時間は、正味15分くらいだったでしょうか、2時間のほとんどは、4人のトークショーだったんですね。終わる時間が迫ってきまして、司会者が4人にお願いをしたんですね。「どうしてもやって頂きたいことがありまして、あのう『銀河鉄道999』をやっていただけないでしょうか?」というお願いに会場内は大拍手!「みなさん、それを期待しているかと思いますので、是非お願い致します。」と司会者。そうなんですよね、池田さん、野沢さん、肝付さんの3人が揃っているのに、「銀河鉄道999」をやらないはずがないと思っていた私としては、期待通りの展開で、生で「銀河鉄道999」が演じられ、聞けるのは貴重な体験でした。
キートン山田さんがナレーターと言うことで、肝付さんに「すいません、吹雪の音をお願いします。」、肝付さん「はい。」と言うことで「銀河鉄道999」が始まりました。
肝付さん |
吹雪の音「ふぅ・・・」 |
山田さん(ナレーション) |
タイトル「吹雪の中の鉄道童話」 |
池田さん(鉄郎の母) |
「寒くない?鉄郎」 |
野沢さん(鉄郎) |
「平気だよ。でも、機械の身体だったら寒さなんて関係ないでしょう?長生きだって・・・」 |
池田さん(鉄郎の母) |
「部品さえ交換続けていれば、1000年だって生きられるのよ。お父さんさえ生きていれば、鉄郎にだって機械の身体を買ってやれたのに・・・」 |
野沢さん(鉄郎) |
「お母さん、あれ!」 |
池田さん(鉄郎の母) |
「山の向こうのメガロポリスに宇宙特急の最終列車だわ。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「あっ!お母さん!お母さん!しっかり!」 |
山田さん(機械伯爵1) |
「おう、これは素晴らしい。」 |
肝付さん(機械伯爵2) |
「今時、100%生身の人間なんて珍しいですねぇ。」 |
山田さん(機械伯爵1) |
「美しすぎる、応接間の壁に飾ろう。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「待っててね、お母さん。必ず、仇を取ってあげるからね。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「君は?」 |
池田さん(メーテル) |
「私は、メーテル。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「僕は・・・」 |
池田さん(メーテル) |
「星野鉄郎。服に刺繍してあったわ。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「うん、そうか。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「ところで、君が助けてくれたのかい?」 |
池田さん(メーテル) |
「ううん、私では無いわ。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「じゃぁ、誰が・・・」 |
池田さん(メーテル) |
「今は言えない。でも、いつか出逢うときがきっと来るわ。」 |
池田さん(メーテル) |
「無茶は行けない。一人で行けば、きっと殺されていたわ。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「機械伯爵を・・・母さんが殺されたんだ。それで、機械伯爵を。」 |
池田さん(メーテル) |
「今はいないわ。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「いない?じゃぁ、どこに?」 |
池田さん(メーテル) |
「わからないわ。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「探さなきゃ!母さんの身体を取り戻すんだ!」 |
池田さん(メーテル) |
「無駄よ。今のあなたでは、仇を討つことは出来ない。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「やってもみないで、わからないじゃないか!」 |
池田さん(メーテル) |
「やってみたんでしょ?機械化人を倒すには、機械の身体になるか、戦士の銃のような強力な銃が・・・」 |
野沢さん(鉄郎) |
「戦士の銃?あのキャプテンハーロックが持つという・・・」 |
池田さん(メーテル) |
「そう、宇宙にたった4丁しか存在しないと言われる、戦士の銃。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「そんなの手に入りっこ無いよ。」 |
池田さん(メーテル) |
「そうね。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「お金を貯めて、機械の身体を買うしか無いのか・・・」 |
池田さん(メーテル) |
「これがなんだかわかる?」 |
野沢さん(鉄郎) |
「銀河鉄道の定期券?」 |
池田さん(メーテル) |
「そう、この列車の終着駅は、機械の身体をタダでくれる星。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「タダで?」 |
池田さん(メーテル) |
「あなたにその気があるなら、この定期をあげるわ。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「本当かい?でも、どうして?」 |
池田さん(メーテル) |
「そのかわり、私も一緒にその星に連れてって欲しいの。」 |
野沢さん(鉄郎) |
「そんなのおやすいごようさ!」 |
池田さん(メーテル) |
「あともうひとつ、私の旅の目的を行き先は聞かないと約束できる?」 |
野沢さん(鉄郎) |
「うん、わかった。約束するよ。」 |
池田さん(メーテル) |
「契約成立ね。発車時刻までそんなに時間はないわ。行きましょ。」 |
山田さん(ナレーション) |
「999のホームのメーテルと鉄郎、車掌がいた。」 |
肝付さん(車掌さん) |
「この列車は、アンドロメダ行き、超特急999号でございます。私、当列車の車掌でございます。ご用の際はお気軽にお声をおかけ下さいませ。」 |
肝付さん(車掌さん) |
「え、次の停車駅は、長久手、長久手。あの列は長くて・・・」(笑) |
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と言うことで、肝付さんの最後のセリフは、おそらくアドリブだと思います(笑)。メインだったチェーホフの朗読よりも、こちらの「銀河鉄道999」の方が長かったのは気のせいかも知れませんが、最後の肝付さんのオチでお開きとなりました。舞台のカーテンが閉まっても、拍手が止まず、4人は再度登場。最後の挨拶をしてイベントが終了となりました。
いやぁ、「銀河鉄道999」関連のイベントでは無かったんですが、何かを期待して行ってきたんですが、よかった。非常によかった。面白かったし、貴重な生トークと朗読でした。愛知でこんな貴重なイベントは、もう当分無いでしょう。よかった、よかった。
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で、機関車さんが肝付さんとおつきあいがあると言うことで、帰り間際に交渉をしていただきまして、サインを頂くことが出来ました。肝付さんがサインをしていると、事務所から、野沢さん、池田さん、山田さんが出てきまして、私らに「お疲れ様でした〜」と挨拶をしていったんですね。そう、そこには私らしかいなかったんですが、まさか事務所から登場するとは思わなかったんで、池田さん、野沢さんの挨拶に、こちらも「お疲れ様でした。」と、挨拶するのが精一杯。サインをもらうタイミングはありませんでした(^^ゞ。
きっと、スタッフの方と間違われていたと思うんですが、明らかに私たちに挨拶して出て行きましたので、それだけでよかったですよ。なかなかありませんからね、目の前で挨拶されるのは(^^)。
肝付さんは、スネ夫役でも有名なんで、当然、「ドラえもん」ファンもいるんですが、ファンに応じてサインを変えていて、私らには「999ファンか・・・」と言うことで、「銀河鉄道999 車掌 肝付兼太」と書いていたんですね。
左の写真のサイン色紙がそうなんですが、途中からマジックが細くて書きづらかったんでしょう、太いバージョンに変わっているんですが、私のは細いマジックバージョン。これ1枚しかありません。貴重ですね。我が家の家宝の仲間入りですわ。はい。 |
臨時サイン会も終わりまして、肝付さんはタクシーで帰っていきました。その後、私らは遅い昼食に行きました。会場付近から離れ、地下鉄藤が丘駅近辺で食事することに。どうでしょう、2時間くらいでしょうか、あれこれ「銀河鉄道999」や他の松本作品のここ最近の動向などの話しなんかをして解散となりました。
今回は、何度も書いていますが、野沢さん、池田さん、肝付さん、山田さんの大御所4人の声優さんの生の声が聞けたのがよかったですね。